エントリー後、含み益が出るか含み損が出るかで戦略が変わってきます。含み益が出た場合、利益確定という選択肢だけでなく、ポジションを持ち続け逆指値注文をズラすという選択肢もあるでしょう。
一方で、含み損が出た場合は損切りだけでなく、ポジションを追加するナンピンという手段も選択肢の一つとなります。
こうした判断は事前の計画だけでなく、分析を行っていく中で行うのが理想です。そのため、エントリー後のポジションを随時チェックしておくのが望ましいですが、なかなか時間的に難しいのではないでしょうか。
仕事で忙しいとなかなかチャートをチェックできませんよね
そんなときは自動で売買を行ってくれるEAによるオートトレーリングストップやナンピンが非常に便利です。今回はトレーリングストップとナンピンについて解説していきます。
トレーリングストップ機能とは?
トレーリングストップ機能とは、エントリー後に予想通りに値動きした場合、逆指値注文を自動的に修正する機能のことです。
修正のタイミングは高値や安値の更新時です。例えば、買いポジションを持っていて、高値を更新した場合、逆指値注文も値動きを追跡するように上へ移動していきます。
下のチャートでは下落トレンドが見られます。トレンドに従って売りでエントリーを行い、同時に逆指値注文を入れたとしましょう。その後、価格が下落して安値を更新していくと、それを追跡するように逆指値注文も動いていきます。
逆指値注文をどのような基準でズラすかは色々な方法があります。
- 50pipsなど値幅を決めておき、それを基準にズラしていく
- 移動平均線を基準にズラしていく
トレーリングストップ機能のメリット
FX取引においては、利益を大きく伸ばすことがトータル収益を安定させるために必要不可欠です。しかし、多くのトレーダーは含み益が出るとすぐに利益を確定させてしまう傾向があります。
すぐに利益を確定させてしまうんだなぁ
含み益を大きくするためには、すぐに利益を確定させずに逆指値をズラすに留めることが大切です。仮に途中で相場が逆行したとしても、損失が出ることはなく、含み益をしっかり確保してくれます。
オートトレーリングストップでは、逆指値をズラすことを自動的に行ってくれるので、非常に便利な機能と言えるでしょう。
FXとの相性
FXは一方に相場が継続する傾向があります。代表的な金融商品と言えば株ですが、株と比べてもトレンドが長く継続する傾向が見られます。
トレンドが長く継続するということは、一度含み益が出ると、含み益を大きく伸ばせる可能性があることを意味します。そのため、FX取引とトレーリングストップ機能との相性は抜群と言えるでしょう。
ナンピン機能とは?
ナンピンとは、エントリー後、エントリーと反対方向に動いたときに、さらに追加で同じ方向のポジションでエントリーすることです。
チャートを見てみましょう。ドル円130.5円で1万通貨の買いエントリーを行った後、127.5円までレートが下落したとします。含み損を抱えている状況で、1万通貨の買いエントリーを行うことがナンピンと呼ばれます。
ナンピンした後は、平均取得単価は129.0円まで下げることができます。平均取得単価を下げることで、その後の上昇時に大きな利益を得ることが可能です。
ナンピンのメリット
ナンピンを行うことのメリットは、含み損を小さくして獲得利益を大きくできるということです。例えばドル円132.5円⇒132.1円⇒133.0円と値動きする中で、2万通貨の取引を考えてみましょう。
132.5円で2万通貨すべてエントリーすると、132.1円のとき8000円の含み損を抱えてしまいます。最終的に133.0円で1万円の利益確定を行うことになります。
一方で132.5円で1万通貨のエントリーに留めておくことで、132.1円まで下がっても含み損は4000円です。132.1円で残り1万通貨エントリーすれば、平均取得単価は132.3円となり、133.0円で決済したときの利益は1万4000円となります。
このように、エントリー後、一時的に逆行した場合、ナンピンを行うことで含み損を小さくして最終的な利益を大きくできます。
計画的なナンピンは分割エントリーとも言われ、プロもよく使う手法です
FXとの相性
前述したようにFXはトレンドが長く継続する傾向があるため、ナンピンを行うことは危険性があります。危険を小さくするために大切なことは、①大きなトレンドに逆らったナンピンはしないこと、②損切りポイントをどこかに決めておくことです。
また、ナンピンを行うのであれば事前に計画しておき、1回ごとのロットを落としてエントリーしましょう。
無計画にナンピンするのは危険だねぇ
まとめ
オートトレーリングストップ機能とナンピンは、エントリー後に取る戦略として非常に有効なものです。ただし、トレンドの流れを見極めなければ上手く行きませんし、特にナンピンは危険性のある手法でもあります。
正確に環境認識することが成功の近道です
また、チャートを見張っておく労力が必要なため、忙しい人は裁量でトレードすることは難しいでしょう。トレーリングストップやナンピンを行う際は、自動売買(EA)を利用することをおすすめします。
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